HubSpotの料金ページを開くと、Hubの種類、エディション、シート数と変数が多く、「StarterとProfessionalのどちらを契約すべきか」を判断しづらいと感じる方は少なくありません。両者は月額で数万円以上の差があり、選択を誤ると使わない機能に払い続けるか、必要な機能が足りず再契約になるかのどちらかに陥ります。
結論から言うと、判断軸はワークフローによる自動化を本格的に使うかどうかの一点にほぼ集約されます。機能一覧の長さで比べる必要はありません。
本記事では、2026年7月時点の料金体系の構造、StarterとProfessionalの料金・機能差、プラン選定の判断基準、そしてよくある失敗例までを実務目線で解説します。
目次
HubSpotの料金は「Hub×エディション×シート×コンタクト数」で決まる
HubSpotの月額料金は単一の価格表ではなく、4つの変数の掛け算で決まります。この構造を先に押さえると、StarterとProfessionalの比較が一気に単純になります。
4つのエディションとStarter・Professionalの位置づけ
HubSpotの各製品(Marketing Hub、Sales Hub、Service Hubなど)には、無料版・Starter・Professional・Enterpriseの4つのエディションがあります。エディションとは、同じ製品の中で利用できる機能の範囲と上限を定めた契約階層のことです。
Starterは無料版からの最初のアップグレード先で、HubSpotロゴの非表示、テクニカルサポート、シンプルな自動化などが解放されます。Professionalは本格的なMA・SFA機能が使える階層で、ワークフロー自動化、カスタムレポート、A/Bテストなどが加わります。多くのBtoB企業にとって、実務上の比較対象はこの2つです。無料版と有料版の違いから整理したい方は、HubSpotの無料版と有料版の違いを先にご覧ください。
シート課金の仕組み
シートとは、HubSpotを操作するユーザー1人ごとに必要な利用権のことです。2024年3月の料金改定以降、HubSpotはシートベース課金に移行しており、「何人がツールを操作するか」が料金に直結します。閲覧のみのユーザーには無料の閲覧専用シートを割り当てられるため、全社員分のシートを買う必要はありません。
マーケティングコンタクト数(Marketing Hubのみ)
マーケティングコンタクトとは、メール配信や広告配信の対象として指定したコンタクトのことです。Marketing Hubでは、この件数に応じた従量課金が発生します。営業管理のみに使う連絡先はカウント対象外にできるため、誰をマーケティングコンタクトに設定するかの設計が、そのままコスト設計になります。
StarterとProfessionalの料金比較【2026年時点】
Starterはシートあたり月額2,400円から始められる一方、Marketing Hub Professionalは月額10万円超と、両者の間には桁が変わるレベルの価格差があります。
以下は、BtoBで契約されることの多いMarketing HubとSales Hubについて、2026年7月時点の公式価格をもとに整理した比較表です。料金は改定されることがあるため、契約前には必ずHubSpot公式サイトで最新価格をご確認ください。
| 項目 | Starter | Professional |
|---|---|---|
| Marketing Hub 月額(年払い) | 2,400円/シート〜 | 106,800円〜(コアシート3人分込み) |
| Sales Hub 月額(年払い) | 2,400円/シート〜 | 9,000円/セールスシート〜 |
| 初回導入支援(オンボーディング)費用 | 不要 | 必須(Marketing Hubは36万円が目安) |
| マーケティングコンタクト込み枠 | 1,000件 | 2,000件 |
| 契約形態 | 月払いも選択可 | 年間契約が基本 |
見落とされがちな2つの費用
比較表の月額だけを見て予算を組むと、初年度に想定外の支出が発生します。注意すべきは次の2点です。
- オンボーディング費用:Professional以上の契約時には、HubSpot公式の初回導入支援費用が必須で発生します。Marketing Hub Professionalでは36万円が目安です。
- マーケティングコンタクトの超過課金:込み枠を超えると追加費用が発生します。展示会リストなどを無計画にインポートすると、配信していないコンタクトにも課金され続けることになります。
MAツール全体の費用相場と比較しながら予算を組みたい方は、MAツールの導入費用相場もあわせてご覧ください。
オンボーディング費用はProfessional契約時に必須で、値引き交渉の対象になりにくい項目です。初年度予算には月額とは別枠で必ず計上してください。
StarterとProfessionalの機能差はどこにあるか
機能差の本質は「自動化と分析の深さ」です。Starterは手動運用の効率化まで、Professionalは業務プロセスそのものの自動化と可視化までカバーします。
Marketing Hubの機能差
Starterでは、フォーム、メール配信、広告連携、HubSpotロゴの非表示といった基本機能が使えます。一方Professionalでは、条件分岐を含むワークフロー自動化、A/Bテスト、カスタムレポート、SEO・SNS管理ツールなどが解放されます。つまり、リードを獲得したあとに「条件に応じて自動でナーチャリングする」仕組みを作れるかどうかが分かれ目です。ワークフローで何ができるかはHubSpotワークフロー設計の実務で詳しく解説しています。
Sales Hubの機能差
StarterのSales Hubは、取引パイプライン管理(2本まで)、見積作成、ミーティング調整など、営業活動の基本を押さえた構成です。Professionalになると、シーケンス(自動フォローアップメール)、フォーキャスト(受注確度を加味した売上予測)、パイプラインの拡張、Salesforceとの連携などが加わります。営業プロセスを標準化してチームで再現したい段階に入ると、Professionalの機能が効いてきます。
HubSpotはStarterとProfessionalのどちらを選ぶべきか
選定基準は「自動化したい業務が具体的に書き出せるか」です。書き出せるならProfessional、書き出せない段階ならStarterで十分です。
Starterで十分なケース
次のような状況であれば、Starterから始めるのが合理的です。
- マーケティング担当が1名以下で、まずリード獲得と顧客管理の一元化が目的
- メール配信は月数回のニュースレターが中心で、条件分岐のシナリオ配信はまだ不要
- コンタクト数が数千件以内で、手動のリスト運用で回っている
Starterで運用の型を作り、リード数と施策数が増えてからProfessionalに上げる二段階方式は、初期投資を抑えつつ移行時のデータ引き継ぎも不要なため、多くの企業にとって現実的な進め方です。初期設定の手順はHubSpot初期設定チェックリストにまとめています。
Professionalに上げるべきサイン
次のいずれかに当てはまるなら、Professionalへの投資が回収できる段階に入っています。
- 資料請求後のフォローなど、リード対応の抜け漏れが人力では防げなくなってきた
- リードの行動履歴に応じてナーチャリングの内容を出し分けたい
- 施策別の商談貢献をレポートで説明する必要が出てきた
- 営業チームが複数名になり、フォローの標準化と売上予測が求められている
逆に言えば、これらの必要性がないままProfessionalを契約すると、月額10万円超の大半をワークフロー未使用のまま払うことになります。実際、HubSpot導入がうまくいかない企業の多くは、プラン選定ではなく活用設計の段階でつまずいています。詳しくはHubSpot導入が失敗する7つの理由をご覧ください。
Professionalの費用対効果は、稼働するワークフローの本数でほぼ決まります。契約前に自動化したい業務を具体的に書き出せるかどうかを、プラン選定の判断テストにしてください。
プラン選定でよくある3つの失敗と回避策
プラン選定の失敗は、料金の高さではなく「変数の設計不足」から生まれます。特に多い3つのパターンを回避策とあわせて紹介します。
失敗1:機能の多さでProfessionalを選んでしまう
「せっかく導入するなら上位プランを」という判断は、最も多い失敗パターンです。機能は使って初めて価値になります。運用体制が整っていない段階でProfessionalを契約すると、初年度で150万円前後を投じながら、実際に使うのはStarterでも可能な機能だけ、という状態になりがちです。回避策は、前述の「自動化したい業務の書き出し」を契約前に行うことです。
失敗2:マーケティングコンタクトの設計をせずに契約する
過去の展示会リストや名刺データを全件マーケティングコンタクトに設定すると、込み枠をすぐに超過します。配信する予定のないコンタクトは非マーケティングコンタクトに設定し、実際に配信対象とする条件を先に定義しておくことが、そのままランニングコストの最適化になります。
失敗3:全Hubを同時にProfessionalへ引き上げる
HubSpotはHubごとにエディションを選べます。たとえばMarketing HubはProfessional、Sales HubはStarterという組み合わせも可能です。マーケティングの自動化が急務でも、営業側はパイプライン管理ができれば十分というケースは珍しくありません。必要なHubだけ引き上げることで、月額を数万円単位で圧縮できます。自社での設計が難しい場合は、HubSpot設定代行の費用と依頼範囲やHubSpot運用外注で頼めることも参考にしてください。
まとめ:料金差の本質は「自動化への投資」かどうか
HubSpotの料金は「Hub×エディション×シート数×マーケティングコンタクト数」で決まります。Starterはシートあたり月額2,400円からと導入ハードルが低く、Professionalは月額10万円超に加えてオンボーディング費用が必須となるため、両者の差は単なる機能差ではなく投資規模の差です。
選定の判断軸は、条件分岐ワークフローによる自動化を本格的に使う段階にあるかどうか。自動化したい業務が具体的に書き出せるならProfessional、まだ運用の型を作る段階ならStarterから始めて二段階で引き上げるのが、費用対効果の高い進め方です。
プラン構成は一度契約すると年間コストに直結します。自社のリード数・体制・施策計画からの逆算に不安がある場合は、契約前の設計段階でご相談ください。
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Anotherforceでは、リード数・体制・施策計画をヒアリングした上で、Starter/Professionalどちらが適切か、どのHubをどのエディションにすべきかを含めた導入設計をご支援しています。契約前の壁打ちだけでも構いません。以下のフォームからお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- HubSpotのStarterとProfessionalの料金差はどのくらいですか?
- Marketing Hubの場合、Starterはシートあたり月額2,400円から、Professionalは月額106,800円から(コアシート3人分込み)で、これに初回導入支援費用(36万円が目安)が加わります。年間換算では100万円以上の差になるため、機能の必要性から逆算した判断が重要です(2026年7月時点。最新価格は公式サイトでご確認ください)。
- StarterからProfessionalへ途中でアップグレードできますか?
- できます。同一アカウント内でのアップグレードのため、蓄積したコンタクトや取引データはそのまま引き継がれます。Starterで運用の型を作ってから引き上げる二段階方式は、初期投資を抑える現実的な進め方です。
- Professionalのオンボーディング費用は必須ですか?
- 必須です。Professional以上を契約する際は、HubSpot公式または認定パートナーによる初回導入支援費用が発生します。月額料金とは別枠のため、初年度予算には必ず含めてください。
- マーケティングコンタクトとは何ですか?
- マーケティングコンタクトとは、メール配信や広告配信の対象として指定したコンタクトのことです。Marketing Hubではこの件数に応じて課金され、Starterは1,000件、Professionalは2,000件が料金に含まれます。営業管理のみの連絡先は対象外にできるため、設定の設計がコスト最適化に直結します。
この記事を書いた人
Tomohiro Toukaichi
BtoB SaaSのマーケティング責任者を経験後、フリーランスとして独立。マーケティング戦略設計、KPI・予算設計、広告運用、HubSpot設計・ファネル構築・リードナーチャリングなど、戦略から実行まで一気通貫で支援。